​アイルランドそのものを象徴する大地の女神

​女神　バンバ

アイルランド神話に登場する古代の大地の女神。ケルトの神々がこの地に降り立つ以前から存在していた“原初の大地”の力を体現する女神。アイルランドそのものを象徴する存在です。彼女は時の流れを超えて大地と共に息づく「古の母」として、すべての生命を抱きしめています。アイルランドの三大女神 ― バンバ、フォドラ、エリウ ― は、それぞれこの地の守護者として知られています。
その中でもバンバは「豊饒と再生」「大地と祖先の記憶」を司り、私たちに“根づくこと”と“自然と一体であること”の大切さを思い出させてくれる存在です。

――「あなたの足の下にある大地を感じなさい。そこには、すべてを育む母の愛が流れているのです。」

​創造と「死」と「再生」を司る黄泉の女王

女神　イザナミ

イザナミノミコトは、日本神話における創造の女神。天と地がまだ分かたれぬ太古の時代に、彼女はイザナギノミコトとともに天の浮橋に立ち、天の沼矛をもって海をかき混ぜ、地に降りてきました。日本の国土である島々を生み、多くの神々を生みました。

またイザナミは出産の苦しみの中で命を落とし、その後、黄泉の国の女神として「死」と「再生」の側面をも司るようになります。

彼女は生と死、光と闇、創造と破壊――
相反するすべてを内包する「大いなる母」の姿を持つ女神です。

生命を生み、死を抱き、すべてを循環させる御方。命は永遠に循環し、死の中にも新たな生命の息吹があることを。母なる大地の記憶として教えてくれます。

古のケルトの大いなる母神

女神　ダヌ

ダヌは、トゥアハ・デ・ダナーン──「ダヌの民」と呼ばれる光の神々──の源となった、ケルトの大いなる母神です。古の神話では、ダヌは流れる水のように形を持たず、霧や大河として世界を包みこむ存在でした。その名は「流れ」「大いなる母」を意味し、アイルランドの大河シャノン（Shannon）やドナウ川（Danube）など、ヨーロッパの多くの水の名にその名残をとどめています。彼女は水の流れとともに、風と霧、そして息吹を象徴する存在。彼女の息は大地を目覚めさせ、霧となって山々を包み、言葉を超えた叡智を世界に運びます。空気のエレメントとしてのダヌは、「見えないつながり」を司ります。彼女は、魂と魂を、世界と霊界を、そして人と神々を結ぶ透明な橋。彼女は、生命の息吹そのものとして、あらゆる存在を優しく包み込む母なのです。

伝説の島アヴォァロン島の守護者

​レディ・オブ・アヴァロン

.Lady of Avalon（レディ・オブ・アヴァロン）は、伝説の島アヴァロンを司る大いなる女神。
彼女はグラストンベリーの霧の中に姿を現し、時を超えてこの地に息づく聖なる女性性の源です。
彼女は大いなる変容の女神。
人の心の深みに潜む「死と再生」「喪失と再誕」の神秘を司り、魂を古き殻から解き放ち、真なる自己へと導きます。

彼女はすべての妖精たちの母であり、自然界の精霊たちとともに生きる存在。風や水、木々や星々を通して語りかけ、世界に魔法の息吹を吹き込みます。
そして彼女は、神秘の守護者であるとともに、大いなるヒーラーでもあります。
光と影の両方を理解し、癒しと変容をもたらす魔術の力を宿しています。